Transformirror は、Daito Manabe と Kyle McDonald が開発制作し、ライゾマティクスがプロデュースしたリアルタイム生成AIによるインタラクティブ映像インスタレーションである。W Osaka での初期展示から、フェスティバル、都市型メディアプログラム、教育イベント、ニューメディアアート展へと展開してきた。
SDXL Turbo のリアルタイム image-to-image と Stable Audio の text-to-music を組み合わせ、体験者がウェブカムに捉えられると、その画像が即座に変換され、大型LEDスクリーンに表示される。身体、プロンプト、イメージ、音が継続的に再解釈される公共的な鏡として構成されている。
History / 展示・発表歴
2023.12.15 - 2023.12.25 / W OSAKA WET DECK & WET BAR
大阪・心斎橋の W Osaka で初期展示。SDXL Turbo のリアルタイム image-to-image と Stable Audio の text-to-music を組み合わせた、Transformirror の原点となる公共展示。
Links: Transformirror Osaka archive
2024.10.24 - 2024.10.27 / KIKK Festival 2024, KIKK in Town
ベルギー・ナミュールの KIKK in Town / True-False 展示ルートで発表。Kyle McDonald のクラウド化記事では、ツアー時のGPU運用・低遅延配信の課題と接続して語られている。
Links: KIKK in Town feature / Realtime diffusion in the cloud
2025.01.25 / ORGANISM New Media Art Show
ロサンゼルスで開催された ORGANISM New Media Art Show で紹介。AI、計算、インタラクティブメディアを横断する作家が集まる文脈の中で、Transformirror のリアルタイム生成AIによる鏡像体験が提示された。
Links: Event information / Kyle McDonald Transformirror History
2025.07.16 - 2025.09.07 / FILE SAO PAULO 2025: SYNTHETIKA
ブラジル・サンパウロの FILE SAO PAULO 2025 に出展。合成イメージ、生成システム、現代の電子芸術を扱う国際プログラムの中で紹介された。
Links: FILE artwork page / Daito Archive: FILE SAO PAULO 2025
2025.10.11 - 2025.10.26 / Cinekid Festival 2025 MediaLab
オランダ・アムステルダムの Cinekid Festival MediaLab で展示。子どもや家族がインタラクティブメディアと出会う文脈の中で、生成AIを身体的に体験できる作品として位置づけられた。
Links: Cinekid project page / Cinekid program
2025.11.27 - 2026.01.07 / TOKYO NIGHTTIME PROJECT, Shinjuku Neon Walk
東京・新宿中央通りで開催された TOKYO NIGHTTIME PROJECT / Shinjuku Neon Walk にて屋外展示。夜の都市空間を歩く人々を、季節感のあるAI生成イメージへ変換した。
Link: TOKYO NIGHTTIME PROJECT
2026.03.27 - 2026.03.29 / The Tech Interactive, AI Literacy Weekend
米国サンノゼの The Tech Interactive で「Transformirror Trickery」として紹介。来場者が小道具を使って、AI が場面をどう解釈するかを試す教育的なポップアップとして展開された。
Link: The Tech Interactive
2026.04.11 / nuitnumerique #23 MUTATIONS, Saint-Ex
フランス・ランスの Saint-Ex「nuitnumerique #23 MUTATIONS」に出展。人の動きを捉え、シルエットを別の風景へ置き換えるリアルタイムの幻覚的インスタレーションとして紹介された。
Link: Saint-Ex event page
リアルタイム拡散と身体解析の系譜
Transformirror は、カメラで人の身体を読み取る表現史の中にも位置づけられる。2010年の Kinect は、民生化された深度センサーと、openFrameworks のようなクリエイティブコーディング環境によって、来場者を距離・骨格・身体部位を持つデータとしてリアルタイム展示に扱いやすくした。Transformirror は Kinect 型の骨格追跡を主役にした作品ではないが、身体が「応答する視覚システムへの入力」になるという流れを引き継いでいる。
Memo Akten の Learning to See も重要な先行例である。ライブカメラで捉えた手や日用品を、ニューラルネットワークが学習済みの視覚世界としてリアルタイムに再解釈する作品で、Transformirror はその問いをテーブル上の物体から全身の公共的な鏡へ広げ、現在の拡散モデルと生成音響を組み合わせている。
Kyle McDonald の技術履歴では、Transformirror そのものの展示に加えて、同じリアルタイム拡散ツールキットから派生した展開も重要な文脈として扱われている。特に ICC の「Generative MV」は、観客のテキスト入力に応じて坂本龍一の映像背景をリアルタイムに変化させる関連作品として記録されている。
Links: Memo Akten / Learning to See / Microsoft Kinect launch / ICC Generative MV / Kyle McDonald Transformirror History
関連映像
Myron Krueger - Videoplace, Responsive Environment, 1972-1990s
身体をカメラ入力として扱い、映像環境が人間の存在や動きに応答するという発想の原点。
Camille Utterback & Romy Achituv - Text Rain, 1999
観客のシルエットが文字の落下に介入する、カメラ入力型インタラクションの代表的作品。
Messa di Voce
声、身体、映像をリアルタイムに接続し、音声を空間的な視覚表現へ変換する作品。
Learning to see: Gloomy Sunday, 2017
ライブカメラの現実を、学習済みの視覚世界を通してリアルタイムに読み替える重要な先行例。
Daito Manabe + Kyle McDonald + Rhizomatiks - Generative MV at ICC, 2023
坂本龍一「Perspective」の映像背景を、観客のテキスト入力に応じてリアルタイムに変化させた関連展開。